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お勉強会✍️blog
皆様こんにちは!
アシスタントの田原です😼
先日、上野山デンタルラボラトリーの社長 上野山明寛さんにお越しいただき、インプラントへの理解を深めるための勉強会を開催して頂きました!
当院は院内に技工所があり、被せ物や入れ歯などの歯科技工物はほぼ全て院内常駐の技工士さんによって加工・作製されていますが、
インプラント治療やセラミック治療をする際に使用される強度抜群の‘’ジルコニア”という素材で作られた技工物は上野山デンタルラボさんにて作製して頂いております☺️
勉強会では基本的なインプラントの知識や、インプラント治療の流れ、アシスタントとしてオペにつく際の注意事項はもちろん、インプラントの歴史や歯科技工士さんならではの知識など様々なことを教えて頂きました〜!
私は今までインプラントは入れることさえできればもう安心と思っていました。
しかし、インプラントは入れてからのメンテナンスが非常に重要で、メンテナンスや日々のお手入れを怠ると“インプラント周囲炎”という病気になってしまうそうです。
この病気にかかると周りの歯茎や骨が溶かされ、せっかく入れたインプラントが不安定になってしまいます😭
上野山社長のお言葉で
「インプラントは入れて終わりじゃないんです。入れてからが始まりなんです。」
という一言が私はとても印象に残っています。
恐らく私と同じように考えていた方は多いのではないでしょうか。
また、インプラントを入れるためには日々のお手入れだけではなく、習慣を変えなくてはならない場合もあります。
例えば......
①歯ぎしり
強い歯ぎしりをする方はインプラントを破損してしまうリスクが高まるため、寝ているときに歯を守ってくれる”ナイトカード”を作製して頂く必要があります。
通常、天然の歯の根元は“歯根膜”という薄い膜で覆われていて、その膜が骨への衝撃を軽減するクッションの役割を果たしてくれています。
しかし、インプラントは骨に直接ネジを埋め込んでいるため、歯ぎしりの際にはその力がダイレクトに伝わってしまうのです。
〈豆知識〉
寝ている時の無意識の食いしばりや歯ぎしりによってかかる力は100㎏〜1t程と言われています......😱
②うがい薬
最近は新型コロナウイルス感染症の影響でうがい薬などを使用されている方もいらっしゃると思います。
一時期『コロナにはイソジンが効く!』という話も出回りましたね。
実はそのイソジンを始めとするヨード系のうがい薬は、確かに高い殺菌効果はあるものの、
インプラントで使用されることが多い“チタン”という金属に対しては腐食作用があるため原則禁忌とされています。
ちなみにイソジンの高い殺菌効果はバイ菌だけではなく大切な細胞まで攻撃してしまうため、使いすぎると傷の治りが遅くなってしまうそうです😥
歯科医院で出されるうがい薬は安心してご使用いただけますが、医師や歯科衛生士の説明をきちんと聞いて正しく使いましょう!
〈豆知識〉
チタンは生体親和性が高いのでアレルギーなどの身体への影響が出にくく、人体から異物として認識されにくいため骨とくっつきやすい特別な金属です🦴
③飲み薬
皆さんは普段どんなお薬を飲まれていますか?
服用されている薬の種類によっては手術前後で一時的に服用を止めていただく場合や、充分な配慮が必要になる場合があります。
例えば、高血圧の方や心臓病の方、脳梗塞の方は血液をサラサラにする薬を服用されていることが多いため、通常よりも止血がしにくくなります。
また、血圧を下げる薬には古い骨が壊されやすくなる作用のものもあり、インプラント治療において骨の有無はとても重要ですので注意が必要です。
そして今年は例年にも増して花粉が飛び交っているようですね……
「今年から花粉症デビューしました」なんて話も度々お聞きしています🤧
「え?花粉症がインプラントに関係あるの?」と思った貴方、実は飲んでいる薬によっては生命を脅かすほどの重大な副作用が出てしまう可能性があるんです。
花粉症の薬の中には“舌下錠”と呼ばれる舌の裏に置くタイプのものがあり、口の粘膜から毎日徐々にアレルギーの素(アレルゲン)を摂取し、アレルギーへの反応を弱めていくという画期的な治療法になります😳
しかし、
舌下錠を服用されている方がインプラント治療や抜歯などの外科処置をしてしまうと『強いアレルギー反応により窒息する危険性がある』との報告があがっています。
お口の中に傷口があると、そこからアレルゲンが直接体内に取り込まれてしまうため、強いアレルギー反応が起こりやすくなるそうです。
特に、親知らずなど奥歯の抜歯の際にその付近が大きく腫れることで呼吸が難しくなり、最悪の場合命を落としてしまう可能性が無いとも言いきれません。
そして、舌下錠は5歳からの服用が可能です。
アナフィラキシー反応が出た際には大人より子どもの方が大きく腫れやすいため窒息死のリスクがより高まります。
乳歯を抜く際にも必ず担当の先生にご相談ください。
④タバコ
タバコを吸われる方は“歯周病”になりやすく、重症化もしやすく治りにくいといわれています( ゚Д゚)y─┛~~
“歯周病”は口の中の複数の細菌が原因で引き起こされる感染症と考えられており、先ほど軽くお話させていただいた“インプラント周囲炎”も歯周病と非常によく似た感染症です。
歯周病やインプラント周囲炎の原因となる菌たちは酸素が大嫌いなのですが、
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため血流が悪くなり、細胞に酸素が運ばれにくい状態を作ります。
また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素は酸素を運んでくれるヘモグロビンと結合してしまうため、血液の中を酸欠状態にさせてしまいます。
そのため、通常より酸素が少なくなりやすい喫煙者の方の歯茎は、歯周病菌やインプラント周囲炎の原因となる菌たちにとって最高に住み心地の良いマンションとなってしまいます😈
ちなみに、歯周病よりもインプラント周囲炎の方が進行速度はめちゃめちゃ早いです……🫣
先ほど歯ぎしりのお話のときに、歯と骨の間にあってクッションの役割を果たしている“歯根膜”について触れましたが、歯根膜は歯と歯茎や骨の隙間をぴったり埋めているので細菌が侵入しにくくなっています。
しかし、インプラントにはそんな防御壁は無いのでインプラントと歯茎の間には隙間ができやすく、細菌が侵入しやすくなっているのです。
更に言うと、その隙間が深くなればなるほど酸素も少なくなるので菌たちは元気に活動し、菌たちが元気になるほど隙間も深くなっていきます……😱
そのため、
インプラントを入れる前の2週間程は喫煙を控えて頂き、インプラントを入れた後もその習慣を継続して頂くことをお勧めします!
将来ご自身の歯でしっかり噛んでいただくためにも、日々の健康のためにも、毎日のタバコの本数を1本だけでも減らしてみませんか?!😭
このように、インプラントを入れるためには様々なハードルがその行く手を阻みますが、
インプラント治療を終えた方々の「やっと噛めるのね〜!」というお言葉と、こぼれるような笑顔を見ると、やはり自分の歯で噛める喜びというものは何にも代えがたいのだなと強く強く感じます。
私達アシスタントももちろん、衛生士の皆さんやドクターの方々も治療の成功ために惜しみない努力をさせて頂きますが、
「この治療は大成功だ!」と感じて頂くためには皆様のご協力も必ず必要となってきます。
一緒に頑張っていきましょうね😤
気になることがありましたら些細なことでも構いませんのでぜひご相談ください!
最後になりましたが、お忙しい中わざわざ時間をとって学びの機会を与えてくださった上野山社長にこの場をお借りして御礼申し上げます。