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データで見るお口の健康

こんにちは、歯科医師の仲村です。

「足から老いる」

昔から人は「足から老いる」と言われております。
つまり、足腰が弱ってくると外出も減り、怪我をしやすくなりますし、転倒でもしてしまったら骨折して介護が必要な状態に繋がったりするのです。

なので、ウォーキングに行く高齢者は増えていますし、最近では高齢者向けのトレーニングジムも出来ております。

「口から老いる」

では、人は「口から老いる」というのはご存知でしょうか?
お口の中の健康をおろそかにすると噛む力や舌の動きが劣り、栄養摂取の能力も落ちてしまいます。充分な栄養が取れなくなるのです。
また、滑舌が悪くなることで、話しにくくなり人とのコミュニケーションの機会が減り、社会的にも精神的にも能力が低下する恐れがあるのです。

こうした背景もあり、現在国内では各年齢においてお口の健康を守るための取り組みを推進しております。
例えば、お子様では虫歯を減らす、大人は歯周病予防、高齢者では残存歯の数を増やすというものです。

取り組みの結果

お子様においては予防意識の高まりやフッ化物の普及により、3歳〜12歳の全ての年齢において虫歯の割合は大幅に減っております。

高齢者においては30年近く前から行われている「8020運動」(厚生労働省・日本歯科医師会)によって80歳で20本以上の歯を残そうという取り組みがされ、
30年前には20本以上の歯が残っている80歳以上の方は10パーセントしかいなかったのに対して現在では25%と大幅に向上しております。

しかし成人の歯周病はどうでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、歯周病は歯と歯茎の間にプラークがたまり、プラークに含まれる細菌によって炎症が起こり、最終的には歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちてしまう病気です。これは歯を失う大きな原因とされています。
歯周病であるかどうかのチェックの際に歯と歯茎の間のポケットの深さを測るのですが、4mm以上あれば初期の歯周病と診断されます。この段階では自覚症状はありませんが、出血や口臭などが出たりします。

この4mm以上のポケットがある成人の割合は年齢を重ねるに連れて増えていきます。40代だと3割以上となっています。現在この割合を減らすための取り組みを行ってはおりますが、なかなか目標には届かないのが現状です。

まずは検診を

歯周病は歯が抜けるだけの病気ではありません。
心血管系疾患、糖尿病、肺炎、低体重児出産、骨粗しょう症などの全身への影響もあるのです。
歯周病は自覚症状がないまま進行することが多いので気がつけば深刻な状態に悪化しているというケースも少なくありません。
毎日の丁寧な歯磨きはもちろんですが、ご自宅でできるケアで取り除けないような歯石の除去や歯の健康状態を把握するために、定期的に歯科医院での検診を受けられることをおすすめいたします。

自覚症状がないから歯科医院に行かないという方も多いかもしれませんが、症状が出る前に受診して、お口の健康を維持しましょう。

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